25.ドライアイクイズ|一般財団法人 京浜保健衛生協会

京浜保健便り

25.ドライアイクイズ

保健師便り2018.05.03 3598view

熱中症クイズ〜正しい知識で尊い命を守ろう!〜
スマートフォンやPC作業が多くなり、ドライアイの症状で困っている人は多いのではないでしょうか。
ドライアイは現在全国に約2200万人いると言われています。
今回はドライアイのクイズをご用意しました。答えの後に、ドライアイの予防方法や、眼科への受診の目安についても説明していますので、ぜひ参考にしてみてください。

ロコチェック

  1. 眼が痛い時に涙が沢山出ていれば、ドライアイの可能性はない。
  2. 10秒間まばたきをせずに目を開けていられない場合は、ドライアイの可能性がある。
  3. ストレスと、ドライアイは関係がある。

回答

第1問 答え ×

ドライアイとは、涙の量が不足したり、涙の質のバランスが崩れることによって、涙が均等に行きわたらなくなる病気です。

涙の役割には、「乾燥防止」、「殺菌」、「洗浄」、「酸素や栄養の補給」、「目の表面を滑らかに保つ」などがあります。

涙には、目の乾燥を防ぐために常に分泌されている「基礎分泌」と、刺激や感情で分泌される「刺激性分泌」があります。

ドライアイは「基礎分泌」が減った状態です。目が痛い時に出る大量の涙は、乾燥や痛みなどによる刺激から、目を守るために防御機構で起きる刺激性分泌です。刺激性分泌なので、ドライアイであっても起こります。

基礎分泌性涙は「ムチン層」、「水層」、水層の蒸発を防ぐ「油層」の三層構造になっており、このバランスが大切だと言われています。10秒を超えて目を開け続けると、目の表面に乾いた部分が出てきてしまいます。まばたきをすることで、常に新しい涙が眼の表面を覆ってくれます。

第2問 答え 〇

あなたはドライアイですか?チェックしてみましょう。

  • 10秒間、まばたきをせずに目を開け続けることが出来ない場合は、ドライアイの可能性があります。
  • ドライアイは主に以下の症状が見られます。下記の症状が5つ以上当てはまる場合は、ドライアイの可能性があります。

お酒の適量

涙が蒸発したり不安定になると、疲れ目や痛みなどの不快な症状が出現し、日常生活の質を下げることがあります。また視力が良くても物がかすんで見えるなど、見え方に影響が出る場合もあります。さらにドライアイが原因で目の角膜に傷ができると、感染して炎症を起こしたり、ひどい場合は角膜に穴があく角膜穿孔のリスクもあります。

 

第3問 答え 〇

ストレスを感じると交感神経が優位になり、副交感神経が後退するため涙の量が減少してしまいます。

そのためストレスを解消したり、リラックスする時間を意識的に作ることが大切です。

 

 

 

その他のドライアイの原因と対策

ドライアイの原因は、加齢や大気汚染(喫煙を含む)など様々です。
下記に、ご自身に思い当たる原因がある場合は、対策を参考にしてください。

● まばたきが少ない

まばたき数は通常2、3秒に1回していますが、PC画面を凝視する方は、まばたきの回数が4分の1に激減してしまうといわれています。PC作業の他にも、乗り物の運転や読書などでも、まばたきが減りやすくなります。
涙の分泌を増やすため、まばたきを意識しましょう。

● 室内の乾燥

室内の湿度を適度に保つため加湿器を使用したり、濡れタオルを干しましょう。またエアコンは風向を調節し、目に直接当たらないようにしましょう。

● PC作業での作業環境が悪い

PC画面と目の距離は40cm以上離すようにしましょう。また画面が目より上の位置にあると、眼球露出部が増え、さらに目の乾燥を助長します。画面が目より下の位置になるように、椅子の高さや配置を調節しましょう。また、照明や外の光がPC画面に映りこむと、画面が見にくくなるためカーテンなどで遮光しましょう。

● 作業中に休憩をとらない

PC作業では、1時間ごとに10分〜15分はディスプレイから視線を外すために、体を動かしたり(コピーをとる、ストレッチなど)、休憩をとることが理想的です。5~10分程度閉眼したり、遠くを眺めると目を休められます。また蒸しタオルをまぶたの上に置いて温めたり、マッサージ等を行うことも効果的です。目が充血している場合は炎症をとるために冷やしましょう。

● 夜間のスマートフォンやPC作業

人間は元々夜行性ではないため、夜間は涙の基礎分泌は減少し、お休みモードになります。20時以降は、デジタル機器に触らない習慣を持つことが理想的です。そして夜更かしせず、十分な睡眠をとるように心がけましょう。しかし仕事の夜勤などでディスプレイ作業をする場合は、まばたきや休憩などの対策をとるように意識しましょう。

● マイボーム腺を塞ぐアイメイク

上下のまつ毛の内側には、マイボーム腺(油層がでる分泌腺)があります。まつ毛の内側にアイシャドウやアイラインを入れると、マイボーム腺の出口がメイクで塞がれ、ドライアイを引き起こす可能性があります。メイクはまつ毛の外側にするようにし、マスカラもまつ毛の根元には塗らないようにしましょう。

● コンタクトレンズの使用

コンタクトレンズは、涙がコンタクトレンズに吸い取られたり、涙が蒸発しやすくなったり、まばたきによる涙の交換がスムーズでないなどの理由から、ドライアイのリスクがあります。そのため長時間装用することを避け、メガネと併用することがお勧めです。特にPC作業は、メガネを使用すると良いでしょう。保湿ができるメガネもあります。またコンタクトレンズを購入する際は、自分に合ったものでないと不調を起こす可能性があります。

コンタクトレンズには様々な種類のものがあるため、眼科医に相談して選びましょう。コンタクトレンズを使用していて、目に違和感など症状が出た場合は、使用を継続すると角膜を傷つけてしまう危険があります。早めに眼科に受診しましょう。また眼科医による定期検診も大切です。

● 合わない目薬の使用や、目薬の過度の使用

防腐剤が含まれている目薬は、ドライアイを悪化させてしまうケースがあります。合わない目薬や過度の使用により、症状が悪化する場合があるため注意しましょう。目薬には様々な種類があり、涙の量や質を改善するものや、粘膜の正常化を促すものもあり、作用の仕組みが異なる薬を使い分けることもできます。一度、眼科医に相談してみましょう。

その他の原因として、アレルギー感受性の増加や、薬の副作用、薬剤アレルギー、ウイルス感染などがあります。またドライアイをともなう疾患には、マイボーム腺炎や自己免疫疾患などがあります。原因によって治療方法が違います。気になる場合は、主治医又は、お近くの眼科へ受診し医師に相談しましょう。

眼科への受診の目安は?

  • 第2問の解説にあるドライアイのチェックで、ドライアイの可能性がある場合。または、ドライアイの症状が5つ未満であっても、長期間に渡り症状が続いている場合や、休憩など対策をとっていても治らない場合。
  • 気になる症状がある場合

上記に当てはまる方は、一度お近くの眼科へ受診し医師に相談しましょう。 ドライアイが重症の場合は、涙の排水口である涙点を閉じる治療を行うことがあります。ご自身がどの程度のドライアイなのかを知り、程度や症状にあった適切な治療を受けられることをお勧めします。

保健師便り

この記事は、神奈川県川崎市高津区にある健診機関「京浜保健衛生協会」が執筆・監修しています。人間ドック/巡回健診/女性のための健診/がん検診など、健診でお悩みの際はお気軽にご相談ください。

一般財団法人 京浜保健衛生協会

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