10.ノロウイルス|一般財団法人 京浜保健衛生協会

京浜保健便り

10.ノロウイルス

保健師便り2016.11.03 218view

ノロウイルス
激しい下痢や嘔吐を伴うノロウイルス。
毎年冬場に流行する感染性胃腸炎の原因であるノロウイルスは、感染力が強いのが特徴的です。
集団感染が起こりやすく、あっという間に拡がってしまいます。
感染を防ぐために、ノロウイルスの正しい知識と予防法をご紹介します。

ノロウイルスとは?

ノロウイルスは主に人の手指や食品などを介して感染し、嘔吐、下痢、腹痛などの症状を引き起こします。
感染力がとても強いウイルスで、感染者の吐物やふん便中に含まれる少量のウイルスでも発症し、保育園や高齢者施設など集団生活の場では感染が拡がり、集団発生を引き起こしやすいと言えます。

感染するとどうなるの?

ノロウイルス感染は初期に微熱が出ることが多く、大抵はいきなり辛い症状がおこります。
お腹がチクチク痛みだし、やがてこみ上げるような痛みや不快感、吐き気をもよおします。
我慢ができず1日に何度も吐いてしまったり、吐き気がおさまると今度は下痢が続き、水のような便が出ると言われています。
潜伏期間は1日から3日です。多くは1日から2日で改善します。
下痢や嘔吐が続いた場合、乳幼児や高齢者は脱水症状を起こす場合があるので、水分補給につとめ、早めに医療機関を受診して下さい。 

発生時期はいつ頃?

感染性胃腸炎は例年10月頃から増え始め、12月、1月に流行のピークを迎えます。

感染経路

ノロウイルスには下記の感染経路があります。
正しく予防対策を行うためにも、感染の原因をきちんと把握しましょう。

どんなところで発生しているの?

発生場所の約7割は飲食店で最も多く、次いで仕出屋、旅館と続きます。
食べ物に関する場所や人が多く集まるところにノロウイルスの危険があります。

感染しないためにはどうすればいいの?

ノロウイルスには下記の感染経路があります。
正しく予防対策を行うためにも、感染の原因をきちんと把握しましょう。

手洗いをしっかり行いましょう!

手洗いは手指に付着しているノロウイルスを減らす最も有効な方法です。

洗うタイミング
  • ◎トイレに行ったあと
  • ◎調理施設に入る前
  • ◎料理の盛り付けの前
  • ◎次の調理作業に入る前
汚れの残りやすいところを丁寧に
  • ◎指先、指の間、爪の間
  • ◎親指のまわり
  • ◎手首

調理器具を消毒しましょう!

塩素消毒
  • ◎洗剤などで十分に洗浄し、塩素濃度200ppmの次亜塩素酸ナトリウムで浸しながら拭く。
    ※次亜塩素酸ナトリウムは金属を腐食させる性質があります。
    包丁などの金属製調理器具や食器類はアルコールによる二度拭き、または熱湯(85℃で1分以上)による加熱が有効です。
    ※消毒用エタノールや逆流性石鹸(塩化ベンザルコニウム)はあまり効果がありません。

日頃から健康管理!

普段から感染しないように食べやすいものや家族の健康状態に注意する。
症状がある時は、絶対に食品を直接取り扱う作業をしない。
症状があるとき、すぐに責任者に報告する。
貝類を調理は別にし、調理後すぐに消毒をする。

消毒液の作り方

ノロウイルスに対しては塩素系消毒剤である次亜塩素酸ナトリウムによる消毒が有効です。次亜塩素酸ナトリウムは、希釈して(薄めて)使用します。
市販の塩素系消毒剤の原液の濃度には、1%~12%程度のものがあります。下の表は、1リットルの水に加えて作る場合に必要な原液(5%と10%の場合)の量です。作りたい消毒液の量によって、使用する原液の量が異なりますので、原液の濃度を確認してから、下記の表を参考にして消毒液を作って使用してください。
なお、市販されている家庭用塩素系漂白剤(ハイター、ブリーチなど)の濃度は、約5%です。

消毒対象
必要な濃度
現役の濃度
(注1)
希釈倍率
1リットルの水に加えて作る場合に必要な原液の濃度(注2)
便や吐物が付着した床やおむつ等
1000ppm(0.1%)
5%
50倍
20ml
10%
100倍
10ml
衣服や器具などのつけ起き
トイレの便座やドアノブ、手すり、床等
200ppm(0.02%)
5%
250倍
4ml
10%
500倍
2ml

(注1)濃度1%=10000ppm
(注2)家庭用塩素系漂白剤のキャップの要領は通常20ml〜25mlです。容器に書いてありますので確認してご利用ください。

感染を拡げないためにはどうすればいいの?

ノロウイルスには下記の感染経路があります。
正しく予防対策を行うためにも、感染の原因をきちんと把握しましょう。

感染者が使ったり、嘔吐物が付いたものは、他 のものと分けて洗浄・消毒する。
食器等は、食後すぐ厨房に戻す前に塩素消毒液に十分浸し、消毒する。
カーテン、衣類、ドアノブなども塩素消毒液などで消毒する。
洗濯をするときは、洗剤を入れた水の中で静かにもみ洗いし、十分すすぐ。

→85℃で1分間以上の熱水洗濯や、塩素消毒液による消毒が有効です。
→高温の乾燥器などを使用すると、殺菌効果は高まります。

感染者の嘔吐物やおむつなどは、次の様な方法で、速やかに処理し、二次感染を防止しましょう。 ノロウイルスは、乾燥すると空中に漂い、口に入って感染することがあります。
使い捨てのマスクやガウン、手袋を使用する。
ペーパータオル等で静かに拭き取り、塩素消毒後、水拭きをする。
拭き取ったおう吐物や手袋などは、ビニール袋に密閉して破棄します。
終わったら丁寧に手を洗います。

治療法

ノロウイルスには有効な抗ウイルス薬がなく、通常、対処療法が行われます。
特に、免疫力の低い乳幼児や高齢者は脱水症状を起こしたり、体力を消耗したりしないように水分と栄養の補給を充分に行ってください。脱水症状がひどい場合には水分の損失を防ぐために病院で点滴を行うなどの治療が必要になります。

対症療法で大切なことは、強い下痢止め薬を服用しないことです。無理に下痢を止めるとウイルスが腸管内に溜まり、病気の回復を遅らせることがありますので使用しないことが望ましいでしょう。
医師に相談しましょう!! 

厚生労働省HPより抜粋

保健師便り

この記事は、神奈川県川崎市高津区にある健診機関「京浜保健衛生協会」が執筆・監修しています。人間ドック/巡回健診/女性のための健診/がん検診など、健診でお悩みの際はお気軽にご相談ください。

一般財団法人 京浜保健衛生協会

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