検査結果項目
胃部
胃部検診にはⅩ線検査、内視鏡検査、血液検査があります。

X線検査
造影剤(バリウム)を飲んで、その影を映しだす検査です。
◆X線検査の主な所見の説明
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 ポリープ 
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 胃の粘膜にできたイボのようなものですが、定期的にみていく必要があるものや、ヘリコバクターピロリの除菌で消えるものがあります 
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 変形 
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 潰瘍やその瘢痕などで、胃や十二指腸球部が変形している所見です 
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 伸展不良 
拡張不良  | 
 胃や十二指腸が充分にふくらまずに写っている所見です 
体質的なこともありますが、潰瘍瘢痕等により出ることもあります  | 
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 辺縁硬化・不整 
弯入・ダブルライン  | 
 胃や十二指腸の輪郭が一部不整だったり、直線的または二重に写ったりする所見で、腫瘍や潰瘍瘢痕でみられます 
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 粘膜不整 
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 胃の粘膜が荒れているように見える所見で胃炎などの場合にみられます 
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 ひだ集中 
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 胃の輪郭に沿ってほぼ並行しているひだが、一点を中心に放射状に集まっている所見で、腫瘍や潰瘍でみられます 
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 バリウム斑 
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 バリウムが溜まっているところがある所見で、潰瘍やびらんなどでみられます 
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 胃角開大 
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 ひきつれにより胃角の形が広がっているように見える所見で、潰瘍瘢痕でみられます 
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 隆起性病変 
透亮像  | 
 胃の粘膜の一部が周囲から盛り上がっているように見える所見で腫瘍やポリープでみられます 
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 壁外性圧迫 
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 胃が外部の臓器(たとえば肝臓・腸管・すい臓など)などから圧迫され変形している所見で、超音波検査などで確認する必要があります 
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 胃外石灰化 
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 胃の外(腹腔内)に白い陰影が見られる所見で、胆石や腎尿路結石などでみられ、超音波検査などで確認する必要があります 
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 瀑状胃 
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 胃の上部(穹隆部)が変形しているものです 
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 食道裂孔ヘルニア 
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 胃の一部(噴門部)が横隔膜より上へ飛び出した状態です 
胃液の逆流により逆流性食道炎の原因になります  | 
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 憩室 
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 胃腸の粘膜にできた小さなくぼみのようなもので、病的な所見ではありません 
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内視鏡検査
内視鏡検査は胃にカメラを挿入し、胃の粘膜やひだの様子を直接観察する検査です。
◆胃内視鏡検査の主な所見の説明
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 潰瘍 
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 食道・胃・十二指腸の粘膜がただれ、えぐれたような状態になっているものです 
潰瘍が治ったあとを潰瘍瘢痕といい、程度によりひだ集中やひきつれ等を残すこともありますが、特に心配なものではありません ただし、再発しやすい場合もあります  | 
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 慢性胃炎 
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 長期に及ぶ胃粘膜の炎症です 
タイプ(型)が何種類かあり、内視鏡検査と組織検査で診断されます タイプの中には胃がんになりやすいものもあります  | 
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 ポリープ 
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 胃の粘膜にできたイボのようなものです 
定期的に内視鏡および組織検査で経過をみていく必要がある場合もあります  | 
血液検査
【ペプシノゲン検査】
ペプシノゲンⅠとⅡを測定し胃粘膜の萎縮度を推測することで胃がんになりやすいかどうかを調べる検査です(胃切除の既往がある場合は低く出ます)。胃の形状やポリープ、潰瘍などの所見はわかりませんので気になることがある場合は、基準値内でもバリウムX線検査または内視鏡検査を受けられるようお勧めします。
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 基準値 
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 単位 
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 ペプシノゲンⅠ 
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 70.1以上 
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 ng/mℓ 
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 ペプシノゲンⅡ 
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 * 
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 ペプシノゲンⅠ/Ⅱ 
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 3.1以上 
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 * 
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【ヘリコバクター・ピロリ抗体検査】
胃の中に棲んでいるピロリ菌に感染しているかどうかを血液で調べています。ピロリ菌感染が持続することで、胃の粘膜に炎症を起こし、次第に粘膜が薄く萎縮した状態 (慢性萎縮性胃炎)になり、胃がんになりやすくなります。
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 基準値 
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 ヘリコバクター・ピロリ抗体検査 
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 (-) 
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